小林麻央さんとブログ

小林麻央さんの他界は、日本中に驚きと悲しみをもたらしました。

その影響力は、単なる有名人の死という範疇ををはるかに
超えるものでした。

彼女に向けられた国民の哀しみの大きさは歴史に残り、
いつまでも語り継がれるものと言って良いでしょう。

彼女を語るうえで、ブログの存在は欠かせません。

2016年9月1日に開設したブログは、
初日からものすごい反響がありました。

理由は、全国的な有名人であることに加えて、
がん患者であることを公表して始めた異例のものだったからです。

私はこの日、専門家の1人として、
ブログを注視していました。

PCの「更新マーク」を間を置かずクリックするたびに、
読者登録が数百~数千増えていくところを
目の当たりにしました。

「いいね!」やコメントの数も今まで見た事が
ない勢いで増え続けていました。

結局、翌日には読者登録が50万人に達していました!

単位が凄すぎて、今までの感覚と何ケタ違うのが、
指折り数えたのを覚えています。

個人を対象としたかなり頑張っている人気ブログでも
何年も運営して500あれば良いほう。

それの3ケタ上、
つまり1000倍を1日にして獲得したことになります。

数の多さは期待の大きさ。
とてつもない期待の大きさの中でスタートしたブログでした。

そんな中、期待に違わぬ、いや期待をはるかに超える
投稿を行ってくれたといって良いでしょう。

293日間で352回の投稿をしており、
読者数は最終的に200万人を超えていました。

彼女のブログは、がん患者だけでなく、
多くの病気と闘っている人たちに勇気と希望を与えました。

そして健康な人にも、
健康のありがたさ、大切さを実感させてくれました。
今悩んでいることがいかにちっぽけなものかとも。

普通であれば、自分の負の部分は見せたくないもの。
特にがんのステージ4という危機的な病状では、
情報を発信する余裕などないものでしょう。
闘病中の自分の顔写真を投稿するのも勇気が要るはずです。

さらには批判的なコメントや誹謗中傷にさらされることに
耐えなくてはなりません。

それだけに極めて貴重な内容でした。

私は、彼女の投稿内容が素晴らしいと思うのは、
バランス感覚に優れている点です。

根底は常にポジティブであり、
ときに落ち込むようなことがあっても、隠すのではなく
伝えながらも、最後には「希望」や「救い」に変換していました。

それがすべての人のあるべき心のありようを
教えてくれているような気がします。

ユーザー目線でいっても、
決して気分が暗くならない、むしろ勇気づけられる
内容になっていることが大きな共感を呼びました。

その最も象徴的な投稿が、
「『34歳の若さで可哀想に』と思われたくありません」

さらに、「2人の宝物を授かり、家族に愛され、愛した、
色どり豊かな人生。だから、与えられた時間を、
病気の色だけに支配されることは、やめました。
だって、人生は一度きりだから」

これは究極であり理想のポジティブ思考だと思います。

小林麻央さんは、
健康であることの大切さ、がん治療のあり方、
生きることの意味、家族や愛の素晴らしさなど
たくさんのことを教えてくれました。

それを行った媒体がブログであり、
ブログ以外では十分にはできなかったことでしょう。

そういう意味で、ブログが持つ爆発的な
潜在的価値をも教えくれました。

彼女は可哀想なのではなく、
素晴らしい人生を送り、素晴らしい影響力を
発揮した女性として捉えるべきであり、
それが彼女のためでもあると思います。

日本中が流した涙は、哀しみではなく、
精一杯生き抜いた感動と感謝の涙として。

生前も女神のような存在でしたが、
あの世では本物の女神として元気に
活躍して欲しいと思います。

心からご冥福をお祈りいたします。

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